債務超過の正しい使い方
土地建物の評価額よりも借入金が上回ると、債務超過だから、次の融資がでないよと言われましたが、もう銀行から借りられないのでしょうか? という質問をいただきました。
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回答)まずは、債務超過の正しい意味を確認する必要があります。
金融機関では、資本金よりも累積欠損(累積赤字)が上回り、資本(純資産)の部がマイナスとなっている状態を、債務超過、と呼んでいます。貸借対照表の右下の部分のことです。
不動産業界では、土地建物の評価額よりも借入金が上回った状態を、債務超過、と呼んでいることがありますが、担保不足、が正しく、本来的な正しい使い方ではありませんから、表記の認識は的を得ていません。
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(以下は余談)
審査を進める中で、銀行では、実質的な債務超過になっていないか、の点検を行なっています。
質問のように、土地建物の評価額よりも借入金が上回った場合には、上回った分を引いて資本(純資産)の部がマイナスとならないか=実質的な債務超過になっていないか、を確認します。
このほかにも、貸借対照表で2期連続で同額計上されているような不良資産や外部への短期貸付金があった場合には、その分を引いて資本(純資産)の部がマイナスとならないか=実質的な債務超過になっていないか、を確認します。
銀行では、一般的に、債務超過や実質的な債務超過となった場合は、新規の融資は行いません。
なお、資本(純資産)の部がマイナスとなっても代表者からの借入があれば、資本金と同等であるとみなして、その分をプラスして補正します。
資本(純資産)の部がプラスに転換すれば、実質的に債務超過が解消された、として新規融資ができる状態に戻ります。
ただし、代表者からの借入の質が問われることがあって、カードローンから資金調達しているのでは? などと疑われた時は、融資が否決されてしまいます。
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