新築 フロンさんの銀行融資Q&A

元某大手銀行で融資業務、貸出資産の自己査定等を行ないました。平成の終わりまで融資審査業務をしていました。私自身も大家さんです。コメントはFacebookで受け付けています。

信用保証協会の運転資金、設備資金の仕組み

   信用保証協会の運転資金、設備資金の融資の仕組みについて教えてください、というご質問がありました。

 

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   不動産業界の方は、不動産のローンやプロパー融資を受けているので馴染みがないかもしれません。

 

   しかしながら、他業種ですとむしろ、信用保証協会の保証付きの融資が、主として、用いられています。

以下、実例で説明いたします。

 

    年商6000万、税引き後利益100万、減価償却費150万という飲食店があって、2店目を開店したいので、2500万の融資を受けたい、と申し込みがあったとします。

この場合は、設備資金という扱いとなり、通常は最大10年で返済していただくことになります。

 

    収益返済能力(税引き後利益+減価償却費)は、1店目の実績を見れば、合計で250万(100万+150万)ありますから、2店目も、首尾よくいけば、10年で返済できそうです。

 

   しかしながら、担保がありませんので、銀行としては2500万の無担保融資をすると、そのまま、2500万の保全割れとなってしまいます。

こういったときに、信用保証協会の保証2500万をつけることで、保全が確保される、という仕組みです。

 

   しかし、信用保証協会も、この飲食店に対して2500万の保証をつける、とは限りません。

 

    無担保の運転資金枠は通常、月商500万の2倍程度ですから、残り1500万は自己資金が必要です。

 

    詳しく調査したところ、この飲食店の代表者自宅の担保価値が1500万ほどありましたので、銀行が代表者の自宅に2500万の抵当権をつけることで、信用保証協会の保証2500万がおり、融資が実行される運びとなりました。

 

   さて、この場合、信用保証協会と銀行との間では、不動産担保に対して、優先充当1500万、という保証条件が設定されます。

 

   しかし、借り手である、飲食店の代表者からは、この内容はうかがいしれません。

融資 2500万      不動産担保 1500万

                                (抵当権2500万)
                            協会優先 ▲1500万
                             協会保証 2500万

 

   結果として、この飲食店は、信用保証協会の無担保枠1000万、有担保枠1500万を併用して、設備資金2500万の融資を実現させることができたわけです。

 

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