デッドクロスで黒字倒産？
デッドクロスになると、税金が払えなくなって黒字倒産するから今、物件を売った方がいいですか？ という質問を受けました。
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回答）実際には、黒字倒産すること自体がありえませんから、特に売り急ぐ必要はありません。
デッドクロス後に少しずつ増えてゆく少額の税金（所得税、住民税）くらいは、手持ち現金や家賃収入、代表者からの借入等で払えるはずですし、経営を破綻に追い込むほどのインパクトを持つ、重要な要因であるとは考えられません。
そもそも、税金が払えないことは（差押になることはあるものの）世間的な、倒産、を意味する事由でもありません。
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デッドクロスという言葉自体、銀行内ではまったく知られておらず、不動産業界特有の造語と考えられます。そして、上記の質問の内容、および結果想定は極端で、実際的、本質的ではなく机上の空論と言えるかもしれません。
これに対し、金融機関は以下の通り、少し違った見方をします。
銀行的には、業種を問わず、黒字の企業が資金不足となる可能性があるのは、年間の元本返済額が、減価償却費と税引き後利益の合計（収益返済能力）を上回っている場合だ、と考えます。
銀行的な見方:
年間の元本返済額>収益返済能力（減価償却費+税引き後利益）
しかし、この場合でも、金融機関からの追加融資、あるいは代表者個人からの借入等によって補てんすることは十分可能で、実際にそうしている（自然と、いつの間にか、金融機関あるいは代表者からの借入等が増えている）はずですから、これによる黒字倒産などを心配する必要はありません。銀行が、黒字の企業を見捨てるはずもなく、必要十分な資金を供給し、いつまでも存続させます。
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こういう売り込みをするのは、所有不動産を売却してほしい、と考えている一部の不動産仲介業者だけだと考えられますので、対応にはご注意いただきたいと思います。
もちろん、所有資産を入れ替えることも、時には必要です。もし物件を売って、運用益を確定させる場合でも、物件ごとに最良のタイミングが異なりますから、よく検討した方が良いと思います。
ちなみに、表記のようなことが本当に起こりうるとすれば、物件が一つしかなくて、無職で、物件からの家賃収入だけに全面依存して貯金ゼロの生活している零細の家主が考えられますが、そんな人が物件を売ってしまったら、それこそ自滅してしまいます。
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