半沢直樹のような銀行員は、実際にはいない
半沢直樹では、銀行員が、破綻懸念先や実質破綻先に分類された企業について、事業再建計画を立てていましたが、実際にはそのような能力は、ありません。
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銀行員の本来的な仕事というのは、カネ集めとカネ貸しです。
個々の銀行員に、企業の事業再建計画を立てるような能力は、残念ながら、ありません。
実務的には、当該企業に対して、いついつまでに事業再建計画を立てて銀行に提出するように求める、という形をとります。
その計画が妥当かどうかをみて、追加支援を行なったり、引当金を積むかどうかの判断(査定)をしています。
タスクフォースの担当責任者から、おまえらに、企業を再建させられるような能力はないだろう、と揶揄されていましたが、それはそれで、事実なのです。
(半沢直樹のような有能な銀行員は、実際にはいません。)
史実では、タスクフォースが解散した後、大企業向けに企業再生支援機構が発足しました。(中小企業向けには再生支援協議会がすでに発足していました)
これらの機関が救済すべき先として念頭に置いているのは、
本業である事業が黒字(営業黒字)だが、銀行への有利子負債が過大で、経常赤字となっている企業
です。
その狙いはといえば、取引銀行に対する債権放棄(貸出債権の売却)であり、それを調整するための公的な話し合いの場を設ける、ということでもありました。(中小企業の場合は、リスケをするための公的なお墨付きをもらう場、といえます)
その代償として、当該企業に対しては経営責任を明らかにしてもらい、一方で、抜本的な経営改革を求めることになります。
その過程で事業再建計画を立てるわけですが、弁護士や税理士、中小企業診断士などの士業メンバーで構成される専門家チームによって策定されます。
(取引銀行の担当銀行員ではない、ということです。)
半沢直樹はあくまでドラマですから、現場にまで足を踏み込む理想的な銀行員の姿が描かれていますが、実際にはそうでもない、ともいえます。
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