新築 フロンさんの銀行融資Q&A

元某大手銀行で融資業務、貸出資産の自己査定等を行ないました。平成の終わりまで融資審査業務をしていました。私自身も大家さんです。コメントはFacebookで受け付けています。

決算は赤字でも、外部から資金調達すれば事業継続できる

   決算では、3期連続で赤字でした。銀行からはこのまま赤字決算だと、次の融資が難しいと言われてしまいました。しかし、毎月ちゃんと家賃収入はあるし、おカネは手許にきちんとあるし、銀行への返済もしっかり行なっています。
 この感覚的なズレ、おかしいな、と思うことがどうして起こるのでしょうか?  というご質問がありました。
 
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  じつは、この感覚的なズレ、というのは、業種を問わず、事業を行なっている経営者であれば、普段から実感することが多いかと思います。
 
  まず、おカネは手許にきちんとある、という点。
 
  もしこれが仮に、1日でもマイナス、つまり、足りなかったとしたらどうでしょうか。
 
  決済できずに資金ショートした、ということですから、対外的に信用を失い大変なことになります。
 
  そうならないよう、自分や家族のおカネなど、事業とは関係のないところからかき集めて貸しつけたり、一か月くらい前から事前に予知して、銀行に運転資金の融資を申し込んだりします。(外部から資金調達できたら、事業継続できるということです)
 
   毎年の赤字が積み重なると、そうした資金不足の頻度が、だんだんと増えてきます。そして、会社に貸し付けたカネは残念ながら二度と戻ってきません。
 
  じつは、今までも、こうやって奔走してきたからこそ、赤字決算でも事業がなりたってきただけで、本質的には、問題の先送りと言えなくもありません。
 
  銀行はこのあたりの実体を、シビアにとらえてきます。
 
   もちろん、サラリーマンの方であれば、たとえ毎年の決算が赤字でも、給与所得があるので、ただちに生活できなくなる、というわけではありません。
 
  しかし、事業者の方は、赤字続きですと、いつか、本当に資金が尽きて、銀行からも支援を打ち切られて、生活ができなくなる(倒産する)恐れが出てきます。
 
 
(不動産賃貸業で、黒字倒産する、という人がいますが、黒字倒産は存在しません。)